「PMSタイプチェック!
お悩み別に対処法を変えてみて!」
女性ホルモン ヘルス&ビューティコラム vol.4
連載 「女性ホルモン ヘルス&ビューティコラム
―女性ホルモンの波に着目してヘルス&ビューティを支える体・心・肌ケアを提案します」 vol.4
Text by 増田美加 / 女性医療ジャーナリスト
PMSの自分のお悩みタイプを知っておきましょう
生理開始前の約3~10日間続く心と体の不調で、生理開始とともに消失する症状が、PMS(月経前症候群)です。
だるい、眠くなる、吹き出物が出る、胸が張る、むくむ、便秘、イライラ、落ち込む、体重が増える…。こんな生理前の不快症状はありますか? PMSに悩まされている日本女性は、生理のある時期の女性の70~80%もいると言われています!
PMSの症状を改善するには、自分のPMSの不調のタイプを知ることが大切。PMSは、不快症状を自覚すると、“症状が軽くなる”ことがあると言われています。
自分のお悩みタイプを診断してみてください。
あなたのPMSタイプをチェック!
チェックリストで生理前の不調をチェックしてみてください。あなたのPMSのお悩みタイプがわかります。
【体】
- ☐ 顔や体がむくむ
- ☐ だるい、疲れがとれない
- ☐ 眠い/眠れない
- ☐ 胸が痛む、胸が張る
- ☐ 肌荒れ、吹き出物ができる
- ☐ 頭痛、頭が重い
- ☐ 首や肩がこる
- ☐ 下腹部が張る、痛い
- ☐ 腰痛、関節痛がある
- ☐ 体重が増える
【心】
- ☐ イライラする
- ☐ やる気が低下する
- ☐ 落ち込みやすい
- ☐ 涙もろくなる
- ☐ 不安になる
- ☐ 怒りっぽくなる
- ☐ 緊張する
- ☐ クヨクヨする
- ☐ 考えがまとまらない
- ☐ 人に会いたくない
【行動】
- ☐ 集中力が低下する
- ☐ 衝動買いをする
- ☐ 八つ当たりしてしまう
- ☐ 暴力的になる
- ☐ 感情を抑えられない
- ☐ 食欲が増す/食欲がない
- ☐ 落ち着きがなくなる
- ☐ 失敗が多くなる
- ☐ 物忘れがひどくなる
- ☐ 体を動かすのが面倒
ひとつの☑を1点と考えます。
【体】 …… 合計 点
【心】 …… 合計 点
【行動】 …… 合計 点
お悩みタイプによって対策を変えましょう!
PMSは自覚するだけで、症状が軽くなると言われています。体、心、行動の中で、合計が6点以上なら、そこが強く出やすいお悩みタイプです。悩みによって対処法を紹介します。
もし、体、心、行動の2つ、あるいは3つが同点なら、どの悩みも同じくらいあるということですので、同点タイプのアドバイスをいずれも参考にしてください。
6点以下なら、PMSのお悩みが少ない人です。でも、気になる症状があれば、いちばん点数が高かったタイプのアドバイスを参考にしてみてください。
体トラブルが多いタイプは、運動と休息、食の改善をしてみてはどうでしょう。心トラブルが多いタイプは、リフレッシュとリラックスが大切。行動タイプは、ゆったりモードでストレスフリーな生活がおすすめです。
以下のそれぞれの対策を参考にしてみてください。
体・心・行動タイプによって対策を考えて
【体トラブルが多い人】
✓ 規則正しい生活習慣にすることで、症状はやわらぎます。特に、寝る時間と起きる時間をできるだけ毎日、同じにしましょう。体調が悪いときは、起きる時間を遅くするのではなく、寝る時間を早くして睡眠時間を確保するようにしましょう。それだけで、かなり楽になりますよ。
✓ アロマテラピーなどの香りを取り入れるのもおすすめです。好きな香りの精油を含ませたティッシュペーパーを枕の下に置く、ハンカチに精油を1滴たらして持ち歩くのもいいですね。
✓ 有酸素運動をして汗をかき、休息をとることも有効です。半身浴などを取り入れて体を温めて、汗をかくのもおすすめです。
✓ 食事は、栄養バランスの良い食生活が大事です。塩分や刺激物、アルコール、糖分の多いものは摂りすぎないで。禁煙は重要です。
✓ 女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンが多く含まれる大豆製品(納豆、豆腐、豆乳など)もおすすめ。
✓ 善玉菌を増やす食べ物(食物繊維、乳酸菌、発酵食品など)を摂って、腸内細菌と肌の状態を整えましょう。
【心トラブルが多い人】
✓ PMSがあるのは、「ホルモンリズムがちゃんと働いているから」とポジティブにとらえるだけで、心が楽になります。生理周期、その日の出来事、ストレス、気持ちや体の症状をスケジュール帳などに書いて、PMSダイアリーをつけることでPMS症状が楽になると言われています。
✓ PMSは、ストレスがあると強くなるので、いつも以上にリラックスと休息を心がけましょう。仕事や人間関係で心が疲れてしまったら、家ではリラックスできる趣味を楽しみましょう。
✓ 好きなアロマオイル(精油)などを入れて、入浴で体を温めることもおすすめです。
✓ 仕事中にも、腹式呼吸法やストレッチなどでリフレッシュを意識的に行いましょう。
✓ イライラや情緒不安定をやわらげるビタミンB6(かつお、レバー)、カルシウム(小魚、乳製品)、マグネシウム(ほうれん草、ナッツ類、海藻類など)などを積極的に摂ってみましょう。
【行動トラブルが多い人】
✓ 人間関係でストレスを感じやすいので、「生理前だからイライラしちゃうかも。ごめんなさい」とあらかじめ不調を伝えておくと、トラブルが避けられるかもしれません。遠慮せずに、「こうしてほしい」と相手に伝えることも大切です。
✓ 食事は3食を基本に、ビタミンやミネラルを含んだ野菜や海藻、ホルモンの原料にもなるタンパク源の魚や肉、大豆製品などをバランス良く食べます。
✓ 神経伝達物質の代謝に関係しているビタミンE(ブロッコリー、アーモンドなど)を意識して摂取するのもよいでしょう。
✓ PMSのときは脳が興奮して、それを鎮めようとコーヒーやチョコレートが欲しくなりがち。でもカフェインは反対に脳を活性化させ、緊張、興奮、不安感などを強めてしまいます。コーヒー、チョコレート、カフェイン入り栄養ドリンクなどは、この時期はできるだけ控えましょう。
✓ 気分の揺れ動きが大きい人のPMS治療で使用されるSSRIのお薬は、脳内のセロトニンを増やすお薬です。ウォーキングやリズム的な運動もセロトニンを増やします。ストレッチやヨガも、気持ちを落ち着けるために有効です。
✓ PMSは、忙しさや精神的なストレスで悪化することがわかっています。可能な仕事は後回しにしたり、出張の時期を生理後のスケジュールに入れ替えるなど、無理をしないように。PMSの時期は、仕事や予定を詰めすぎないように、余裕をもって計画してください。
増田 美加
女性医療ジャーナリスト
エビデンスに基づいた健康医療情報について執筆、講演を行う。女性誌『婦人画報』『GINGER』『My Age』、新聞『時事通信』、女性WEBマガジン『MY LOHAS』『Web GINGER』ほかで女性のヘルスケアや医療の連載を行う。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。