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生理がこない! 妊娠? 病気?
どこまで遅れると心配なの?


#女性ホルモンヘルス&ビューティコラム
「女性ホルモンの波に着目してヘルス&ビューティを支える体・心・肌ケアを提案します」 VOL.8
Text by 増田美加/女性医療ジャーナリスト


「生理の間隔が毎月、違って一定しない…」「次の生理がなかなかこない…」「次の生理がすぐきてしまった…」など、生理周期はよく心配になります。
生理不順はどこまでずれると心配すべきなのでしょうか? その原因は何なのでしょうか?

ストレス、過度な運動、過激なダイエットでも生理は乱れます

サニタリーショーツを履いた女性の下半身

私たち女性の生理のリズムはとてもデリケート。ちょっとした疲れ、ストレスなどでもすぐに不規則になります。
例えば、転勤、異動、引っ越し、ハードワークなどでストレスがかかると、自分ではストレスと認識していなくても、生理周期が乱れたり、生理が止まったりします。過度な運動や過激なダイエットでも、生理周期は乱れます。

また、これまでほぼ毎月、生理が順調にきていたのに、生理予定日の1週間以上遅れていて、妊娠に心当たりがある人は、薬局・ドラッグストアで妊娠検査薬を購入してチェックしてみましょう。
市販の妊娠検査は妊娠の早期判定の補助として用いるもので、最終的な確定診断は医師に診察してもらうことが重要です。

もしも、検査結果が陽性でも、正常な妊娠かどうかまでは判別できませんので、できるだけ早く婦人科医の診察を受けましょう。
また、たとえ陰性であっても、その後生理が始まらない場合は、再検査をするか医師に相談することも大切です。

卵巣機能が低下している可能性も

卵巣から排卵を起こし、生理の指令を出すのは脳の視床下部、下垂体です。ここは、ホルモンの分泌を促す中枢でもありますが、それだけではなく、感情や自律神経系の中枢としても働いています。

そのため、ストレスなどで脳がダメージを受けると、ホルモンの分泌にも影響が出てしまうわけです。脳からの卵巣への指令が順調にいかないために、卵巣の機能が低下して、正常に排卵が起こらないことがあるのです。

正常な排卵が起こらないと、生理周期も乱れます。生理不順の原因は、脳からの指令の乱れによる排卵機能の低下の場合もあるのです。

どこまでが正常な生理なの?

生理の周期や期間は人によってさまざまで、誰もが毎月、同じように一定してくるとは限りません。ですから多少、生理のばらつきがあっても心配することはありません。

月経周期 基礎体温 女性ホルモンのグラフ

目安としては、生理周期は25~38日が正常範囲です。生理初日から次の生理が始まる前までの日数として数えます。

また、生理周期は、体調やちょっとしたストレスでも左右されるので、6日以内の変動は正常範囲と考えてよいといわれています。生理で出血する期間は、3日~7日くらいが平均です。
ストレスや疲れなどで、一時的に生理の周期が乱れても、その原因となるストレスが解消したあと体調が戻れば、生理も安定することが多いので、しばらく様子をみても大丈夫です。

24日以内に生理がきたら? 39日以上こなかったら?

生理の周期が24日以内にくるような場合は、「頻発月経(ひんぱつげっけい)」といいます。
原因のひとつは、一見生理がきているように見えても実は見せかけの出血で、無排卵ということもあります。
もうひとつは、黄体機能不全です。排卵後に卵胞から分泌される黄体ホルモンが十分でないため、排卵してから次の生理が始まるまでの期間が10日以内と短くなり、子宮内膜がうまく育たない状態です。

また、39日以上間隔がひらくような生理が続くと、「稀発月経(きはつげっけい)」といいます。
無排卵または遅延排卵の可能性があります。遅延排卵は、生理が始まってから排卵するまでの期間が普通より長い状態です。
遅延排卵でも妊娠できる人もいますが、卵子の質に影響するため、生理が正常な人に比べて妊娠率は低くなります。

すぐに妊娠を望むなら治療を

お腹に手をあてる女性

中には「生理が毎月こないと心配で仕方がない…」という人もいます。でも、一時的に乱れても、60日以内に生理がきて、その後は元に戻れば、大きく心配しないほうがいいでしょう。

「どうしても心配…」という人は、婦人科では排卵誘発剤で生理を起こすか、低用量ピルでホルモンバランスを整える治療をすることが多いです。

また、すぐに妊娠を望んでいる人は、排卵回数が少なく、妊娠のチャンスが減るわけですから、生理不順になる原因はあるのかを受診して診てもらいましょう。特に原因となる病気がなければ、月1回排卵を起こすように、排卵誘発剤などの不妊治療をしてもいいかもしれません。

60日以上、生理間隔があいていたら注意!

注意したいのは、60日以上、生理の間隔が長いことあいて、排卵が起こっていない場合です。無月経のケースが多いのです。

長期間、生理がこないということは、卵巣機能が低下し、排卵が起こっていない証拠です。当然、脳の視床下部、下垂体からの指令も乱れ、女性ホルモンの分泌も低下します。

卵巣機能が低下すると、生理不順というだけでなく、冷える、疲れる、肌が荒れる、精神的に不安定になるなど、体調全般が悪くなり、体のさまざまな機能に悪影響を及ぼします。

60日以上生理がこないときは、すぐに婦人科を受診しましょう。放置する期間が長引けば長引くほど、治療にも時間がかかります。

無月経は放っておかないで

カレンダー、タブレット、ペン

無月経の多くは、強いストレス、過激な運動、無理なダイエットによって起こりますが、まれに下垂体や甲状腺、卵巣などの病気の可能性もあります。

無月経は、放っておいては治りません。婦人科で、ホルモン分泌や卵巣機能を回復させるための治療が必要です。低用量ピルなどのお薬で治療できます。
また、下垂体や甲状腺、卵巣などに病気がある場合は、治療をします。

受診するときは、最終月経はいつで、何日間続いたか、生理痛はあるか、生理の出血量は多いか少なめか、基礎体温表をつけていれば持参します。

また、閉経はまだまだ先なのに、30代や40代前半で、閉経してしまう「早発閉経」というケースもまれにあります。卵巣が老化し、卵巣機能が低下、若くても閉経と同じ状態になってしまいます。その場合は、女性ホルモンの分泌が減少してしまうので、ホルモンを補充する治療を行います。

無月経を予防するためには、無理なダイエットをしない、アスリートのような激しい運動を継続し過ぎない、ストレスケアを心がけることが大切です。
気になったら、すぐに婦人科を受診しましょう!

(2021年6月11日掲載)

増田美加 女性医療ジャーナリスト

増田 美加

女性医療ジャーナリスト
エビデンスに基づいた健康医療情報について執筆、講演を行う。女性誌『婦人画報』『GINGER』『My Age』、新聞『時事通信』、女性WEBマガジン『MY LOHAS』『Web GINGER』ほかで女性のヘルスケアや医療の連載を行う。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。